クラウド勉強会に行ってきた

これ↓。

クラウド勉強会

EC2やGAEでの実際の運用を踏まえた話がいろいろと聞けて面白かった。
Twitterのタグは#cloudstudy

ざっくりとサマリーをまとめる。
クラウドの定義の話やEC2やGAEの概要などは自分にとって目新しくなかったので端折る。(こちらに端折ってない話があるかもです)

  • 向き不向き
  • 運用の工夫
  • 実は障害はけっこうあるという話
  • ほとんど本で読んでた話
  • ニフティクラウドの話
  • GAEでソーシャルアプリ

向き不向き

「クラウドっておいしいの?」株式会社ハートレイルズ 上楽氏

意外と向いてるシステムの方が少ないのかも。
既存インフラを置き換えるもののように語られることもあるが、実際のところはインフラの選択肢が増えたと考えるのが正しいのだろう。

向く
  • キャンペーンサイトなど短期間の利用
  • トラフィックが爆発的に増加する可能性があり負荷が予測できない
  • スタンバイサーバとして
  • 小規模ウェブサービスに

スタンバイサーバとして使うという考えは目からウロコだった。
ただしサーバの構築からアプリケーションのデプロイまでの一連の流れが全て自動化されていることが前提の話になる。

これに限らないがクラウドのメリットを十分に生かすには、それまでの技術的投資がかなり必要になると感じた。

向かない
  • サーバ台数が少ない 数台
  • トラフィックの予測が容易

トラフィックが落ち着いてきたら専用サーバや自社インフラに移行した方がコスト安になるのでオススメだとか。

運用やアーキテクチャの工夫

「物理サーバとクラウドの運用管理の違い」株式会社ハートビーツ 馬場氏

物理サーバを扱うときとは頭を切り換えて柔軟に対応。

工夫
  • 不調サーバはさくっと切り離して新しいインスタンスを投入
  • EBS付け替えでマスタDB交換
  • AMIパターンを増やさず 起動パラメータで調整
  • とにかく自動化(APIが公開されているので作り込める)
  • 起動を高速化
  • アプリデプロイを高速化(EC2内にリポジトリ、又はS3に置いとく)
アーキテクチャ
  • データをロストしない仕組み(ローカルディスクの内容は消えるもの・キューイング・キャッシング)
  • ボトルネック回避の仕組み(負荷分散・データ分散)

実は障害が結構あるという話

「EC2を2年半使ってみた」学びing株式会社 五十嵐氏

体当たりでのクラウド運用経験談。
フツーの会社がクラウドに取り組んだらこういう壁にぶち当たっていくのではないかといった気がする。

  • HTTP生きてるけどSSHが死ぬ
  • EC2のサーバから送るメールがスパム扱いされる → 回避方法
  • 不正中継に使われてAmazonから警告
  • インスタンス落ちてサイト消滅(ソースもデータも全て)
  • 無駄なサーバが乱立
  • けっこう障害がある → 開発と営業の対立を招く
  • ちょっとした障害では連絡とか来ない → Twitterで知る

とは言えそれでもEC2は良い!とのこと。
そして一番のコストは人件費なので今後は管理の効率化などを進めていきたいそうだ。

本でほとんど読んでた話

「EC2の活用事例」TIS株式会社 並河氏

すみませんだいたいの話を本で読んでました。
EC2から送信したメールがスパム扱いされるのでどうにかしたという話もブログの方で読んでましt

クラウド Amazon EC2/S3のすべて~実践者から学ぶ設計/構築/運用ノウハウ~ (ITpro BOOKs)
並河祐貴 安達輝雄
日経BP社
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良い本なので是非。
EC2をかなりがっつり業務で使うかもという話があったときにかなり参考になった。
クラウドの定義など自分が端折ったと言った話も詳しく書かれていますよ。

ニフティクラウド

「ニフティクラウドの紹介と今後の展望」ニフティ株式会社 上野氏

ある意味この日の本題のような話。

内部構成の考え方
  • 徹底した抽象化・祖結合
  • 負荷分散(負荷を平準化する仕組み)
  • 自動化・自律化(自動化できない仕組みは規模拡大とともに運用負荷が高まるので×)
具体的な構成
  • 広帯域な内部バス
  • サーバ、ストレージ、ネットワークがそれぞれ独立して交換可能
  • サーバ故障時の対応 ディスクレスサーバをUSBメモリで起動
  • VMWareのHA機能、リソース管理機能
目指すところ
  • A社よりも高い「満足感」
  • HypervisorがVMWareであることの付加価値を出していく
  • @niftyのサービスを部品化
  • ノウハウのサービス化
  • 皆様に育てていただくサービスに(APIなどの提供

EC2との差別化としては国内にあるのでレイテンシが少ないといったこともあるが、EC2よりもサポートなどを手厚くして、利用の敷居を下げていくみたいなニュアンスが感じられた。
価格的にも将来的にはもっとがんばりたいそうだ。

あともうしばらくしたら個人モニター募集したりするみたい。

GAEでソーシャルアプリ

株式会社コニット 橋本氏「Google App Engineを使ったオープンソーシャルアプリ」

GAEはソーシャルアプリにはうってつけの環境。
EC2で作ろうとはもう思わないほどよいとのこと。

メリット
  • Pythonカンタン
  • 運用カンタン
  • ツールが整備されている
  • かなり安価 EC2の1/10
  • 日本のケータイからのレスポンスがよい
  • オートスケール

かなりのコスト安。
あと課金ユーザーには割といろいろ柔軟に対応してくれるらしい。

デメリット
  • GAEが落ちるとどうしようもない
  • バックアップが取りづらい → 一応データ消えないのでバックアップ不要という話があるけども
  • 他のクラウドサービスに移行できない → ソーシャルアプリの寿命は概して短いからおk
  • 3000ファイルまでなのでサービスによっては相性が悪い